シリコンバレー式超ライフハックは役に立つか?
読んだ本
読む動機
最近この手の自己啓発本をあまり読んでない気がしていたので買ってみた。
概要
賢く、速く、そして幸せに生きていくための知恵を成功者や研究者へのインタビューを通してまとめたもの。
人間は闘争/逃走反応、食欲、性欲に振り回されている。
これらをいかにコントロールできるかが重要だが、多少うまくいかなくても本能なので仕方がないと許してあげることも大切。
結局感謝が最強の幸福メソッド。
意思決定
人間が1日のうちに意思決定できる回数には限度がある。
そのため、自分にとって本当に大切なものを見極め、余計なものにエネルギーを割かないことが重要である。
そのためには、大切なものを常に頭の片隅に置いて意思決定を行う必要がある。
大切なものは、20年後の自分がどうありたいかを想像すると見えてくる。
習慣
習慣や考え方、使う言葉によって神経回路が変化する。
特に、「できない」や「やってみる」などの言葉は使用を避けるべきだ。
実際にできないことはほとんどないので、「できない」と考えてしまったら、どうすれば可能になるかすぐさま考えるべきだ。
「不可能」は事実ではなく意見である。
同様に、知能も流動的であり、トレーニングによって強化可能である。
記憶力を鍛えるには、言葉の情報を視覚化すると良い。
なぜなら脳の神経の約40%が視覚と関係している。
何かを覚えるときは、目を閉じて、描写する。
小説を読んでいる時のような感覚。目を閉じることで視覚情報が遮断され、ワーキングメモリが拡張する。
恐怖への反応
世の中を変えていく人間になるためには、恐怖に対する耐性が必要となる。
実は拒絶されることを繰り返すことで恐怖への耐性は身についていく。
自らノーと言われる機会を生み出そう。
毎日何かに挑戦して、一つは失敗しよう。
性欲
男性は射精を制限し、性的なエネルギーを他の重要なことに振り向けることで生産性の向上が見込めるらしい。
また、ポルノの視聴は糖やアルコールと同様の中毒性があり、快楽を感じにくくなる。
運動
過度の有酸素運動は老化などの悪影響を及ぼす。
人間の体は長時間の高負荷に耐えられるようにそもそもできていない。
低負荷の有酸素運動とウエイトトレーニングと組み合わせるべき。
食事
食事に関しては、マーガリンやサラダ油のような植物性の油 (オメガ6脂肪酸が多い) を避けるべき。
ポリフェノールが腸内細菌にいい影響を及ぼす。
ビタミンK2はカルシウムを適切に扱う力があり、骨や虫歯治療にも貢献する。
幸福
基本的にお金で人は幸せにはなれない。
年収800万円程度までは収入が増えるほど幸福度も増加するが、そこから先は逆に低下する。
お金は結果である。プロセスに集中すべき。
基本的な生活ができる収入を手にしたら、お金を稼ぐことよりも自分が幸せになれることに時間を割こう。
むしろ自分そのように行動する方が結果的にお金持ちになる可能性がある。
ビジョンの設定方法やコミュニケーションのテクニックなどは他者から教えてもらうことができる。
しかし、自分が何に対して満足感・充足感を感じるかは自分にしか理解できない。
そのような、自己理解に欠けた状態で成功しても充足感のない「究極の失敗状態」に陥る。
自分ではなく外の世界に目を向けよう。
感想
まず、この本は自分の能力を最大限発揮して目標への到達を手助けするために書かれたものなので、何か目標があることが前提となる。
自分の場合は、持続可能な未来、働かなくても生きていける社会、格差のない社会の実現などだろうか。
もちろん私的な旅行などの目標もあるが、本書ではスコープ外のように思える。
本の中で、たびたび問いかけがある。
- 自分が真実だと思っている (思い込んでいる) ことは何か
- 20年後の自分はどうありたいか
- 財産や家族など全てを手に入れた後でもやりたくなることはなんだろうか。
これらの問いには都度立ち返りたい。
特に、3つ目の問いを明確にできなければ、本書で言う「究極の失敗状態に陥るだろう」
結局、感謝する習慣を持つことが幸福感を高める方法として最も推されている。
個人的には、毎日何か一つ失敗すると言うのを取り入れてみたい。
そのためには挑戦が必要になるのだが、意外と日常で挑戦を設定することは難しい。
性欲について1章割かれているのは珍しいと思った。
日本の書籍ではあまり触れられない内容の気もするので貴重だ。
性のエネルギーを仕事などに昇華させるのがいいらしいが、具体的にどうやってエネルギーを転換するのかは書かれていない。
女性向けの話も書かれているが、読み飛ばしてしまった。
参考文献などが本文中にあまり引用されておらず、どれが科学的に検証されていて。どれが単なる経験則なのか区別がつきにくい。
科学的な説明も少なくないが、筆者や成功者の経験則を裏付けるために利用されているようにも思える。